こんにちは。いちかわともや(@tomochan8282)です。
トゥシューズペイントというアートジャンルを、世界で初めて確立したReeさんにインタビューを行いました。
心に湧いてきたアイデアを形にし、世界にまで繋げていった、圧倒的な行動力。そして、試行錯誤の歴史。たっぷりと語っていただきました。
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もくじ
#2トゥシューズペインターReeさん【インタビュー】
#2トゥシューズペインターReeさん【インタビュー】
型にはまっていました
そうだ。小学生の時から、わりと色んな事ひらめく子だったんだけど。私はそこに傷があるのかもしれない。
「先生の声は薔薇のよう」みたいな。
バレエの世界にいた時は、ストレートな表現が出来なくなってたよね。本当に型にはまっていた。
私にはすごい頑固なところと、すごい従順なところがあるんだけど。
自分の人生、あれ?みたいな。
クラシックバレエやジャズダンス、コンテンポラリー、モダン、ヒップホップ。いろんなジャンルをやった。 バレエは大きな協会に所属していたんだけど、年功序列でね。私は真面目だったから、休まずリハーサルに参加して、色んな舞台に出ていたの。
バレエは地震が起きる2週間前に辞めた。
私、テクニックがとっても興味がなくて、とっても苦手だったのね。
そのスタジオやめて、他の所でも踊り出したんだけど、気付いちゃったのよ。自分の最大の武器だった表現力。情熱がなくなっちゃってることに。自分は情熱だけでやってきたのに、湧いてこなくて疲れきってて。あーもうだめだと思って。 もう人の目を見て話すことも出来なくなっていたね。
黒い服を着て客席を歩き回るイメージ
そんな状態だったけど、アルバイト生活っていうのを始めた。
アルバイトの時だけは、ちゃんとお客さんの目を見て話せたんだ。仕事中だけは。それが終わるとオロオロして。
そのカフェが、アート・デザイン・ファッションを兼ね備えてて。憧れてたんだよね、きっと。
そういえば、Bunkamuraの時にさ、社員イベントみたいなのあったじゃん。ビュッフェでパーティーしましょうみたいな。 あれ確か、参加してたよね?あの時に、舞台監督の助手をやるきっかけを掴んだんじゃなかったっけ?
Bunkamuraのオーチャードホールで働いている時に、自分が黒い服を着て客席を歩き回っているっていうイメージがひたすら浮かぶのよ。仕事中に。
演出家っていきなりなれなくて、舞台監督の助手からなる人が多いっていう話を調べたんだろうね。
ここで、衣装デザイナーさんとか、照明さんとかと知り合って。ここの会社行ってみたら?ってアドバイスもらったり。大きな舞台たくさんやってるからいいかもよ、みたいな。 いろんな人が繋げてくれて。
その時、これはちょっと違うなって思ったんだよね。
黒い服で客席を歩くのは同じなんだけど・・・これやっぱ違うわって。その時思ったのね。
身体中の細胞が踊りたいーって叫びだして
パパ的な存在の舞台監督さんはすごく大らかで、とにかくあなたに体験をさせたいって。ノコギリ持たせてくれたり。
あれをさ、最初使った時、目に飛ばしたんだよね。
でもとにかく、色んなことを体験させてくれて。娘を甘やかすパパみたいな。
それで、もう一人のママ的な存在の舞台監督さん。その方がめちゃくちゃ怖くて。
しかも、むちゃくちゃ頭いいから、なんでも見抜いちゃうの。よく泣くほど怒られた。 ある時、舞台の幕をミシンで縫ってたんだけど。私そういう作業は得意だったんだよね。
ある時、一生懸命ミシンで縫い物してたらママさんが傍に来たわけ。もう怖くて怖くて。「あの、何か間違えましたか?」「縫い方間違えましたか?」とかいって私が聞くじゃん。 そしたらママさん、「あなたね、私はここに居るだけよ。そんなに怖がらなくてもいいじゃない!」って大笑いされた。 異常に怖がりすぎてたみたい。だから本当は優しい人で。 舞台監督助手の1年目は研修だから、ゆるい感じで仕事ができるんだけど、3年である程度仕切れるぐらいにならないといけなくて。 1年目過ぎると、自主的にどんどんやっていかなきゃいけなくなるのね。舞台監督をやりたい子達は率先してやっていくわけ。 でも私は勉強のためにやっていた。それを見抜かれてたと思う。どんどん様子がおかしくなってくるわけ。私はついてまわるのがいい。舞台監督にはなりたくないからね。 自分で考えなきゃいけないっていうのが、うまく折り合いがつかなくなってた。 そうだ!踊りたくなってたんだ!
これはすごい感覚的な話なんだけど、身体中の細胞が踊りたいーって叫びだして、涙が止まんなくなるのよ。家でずっとそういう感じで。 それがずっと続いてるとやっぱり仕事中にも気づかれちゃうんだよね。覇気がない。心ここにあらずみたいな。いろんな人が面談をしてくれて。
ママさんは職人肌で見抜いちゃうから。辞めたかったら辞めなさいって。
舞台監督助手の経験が、どのようにトゥシューズペインティングに繋がっていくのか気になっていたんだけど、その時に湧いてきた泉っていうのは、今までよりも強力なものだったのかもしれないね。
バレエの舞台ではリノリウムを敷いたり、テープで貼っていったり。場ミリもひたすらやってたんだ。 ロール紙を広げて、貼り合わせていく作業が、まさに、舞台監督時代にやっていた事とまったく同じ要領なのね。
言い様のない興奮
あとね。舞台監督助手時代に、すごく好きな瞬間があって。それは舞台の背景幕が上がっていく時。 あの絵が上がっていくっていうところに、言い様のない興奮を覚えたわけ。
初めて5m×5mで披露した時も背景を吊り上げていったんだけど、その時の謎の興奮は、ここに繋がってるのかなって思ったのね。
これも本当に簡単な装置で、どうやって括り付けたらいいかとか、分かるんだよね。この素材を使えば大丈夫とか。 これは黒い平紐で全部括り付けてあるんだけど、結び方とかが分かるんだよね。もっといい方法はあるかもなんだけど、自分が知っている最善のやり方で出来ちゃうの。
学生っていいね。なんか変な固定観念がないから。
FacebookでReeさんのタイムライン見て、えーって。TEDでちゃうのーって。笑
予算の話し合いをして出演したんだけど、みんな予算とか関係なく出演したいくらいのイベントだったって後から知って。あーよかったって。 知らないって怖いなぁ。笑